水産物の原料原産地表示・原産地表示にご用心

原料原産地表示経過措置期間が終了し、丸一年が経過しようとしております。
原料原産地表示でわからないことなどはございますでしょうか?

原則、食品表示基準において、加工食品は「原料原産地名」、生鮮食品は「原産地」を表示する必要がありますが、
水産物の原料原産地名・原産地表示は少々ややこしくなっております。

今回はそんな水産物の原料原産地名・原産地表示について解説いたします。

関連記事

食品品質管理・品質保証の専門用語「原料原産地表示」について解説します。わかりやすい用語辞典です。原料原産地表示とは、使用した原材料に占める重量の割合が最も高い原材料の原産地を原材料名に対応させて表示します。令和4年(2022年)3月31日までに対応が必要です。
生鮮食品と加工食品の区分について、演習問題を交えながらわかりやすく解説いたします。その商品が生鮮食品にあたるか、加工食品にあたるかによって表示方法も変わっていきます。区分が難しい食品もございますので注意が必要です。
年末年始に人気の魚介「かに」、日本で一番よく食べられている魚「さけ」、それぞれ表示を行う上で独特の注意点があります。 優良誤認になりやすい「かに」、アレルギー表示を間違えそうな「さけ」の表示上の注意点について食品表示のプロが解説いたします。

水産物とは

水産物とは生鮮食品のうち、海、川、湖等で獲れるものとなります。
食品表示基準別表第二に掲載されており、

・魚類(淡水産魚類、にしん・いわし類、かつお・まぐろ・さば類、他)
・貝類(しじみ・たにし類、かき類、はまぐり・あさり類、他)
・水産動物類(いか類、たこ類、えび類、他)
・海産ほ乳動物類(鯨、いるか、他)
・海藻類(こんぶ類、わかめ類、のり類、他)

に大別されております。
これらの生鮮食品には「原産地」を表示する必要があり、
加工食品でこれらが原料原産地表示の対象となった場合は「原料原産地名」を表示する必要があります。

生鮮食品における水産物の原産地表示

生鮮食品における水産物の原産地表示は、以下の通り表示する必要があります

国産品の場合
・水域名(水揚げした港名、もしくは水揚げした港が属する都道府県名を併記可能)
・養殖の場合は地域名(主たる養殖場が属する都道府県名)
・水揚げした港名、もしくは水揚げした港が属する都道府県名(水域名の表示が困難な場合)

注意点として、「国産」や「九州産」等、都道府県よりも大きな括りで表示することはできません。
また、農産物や畜産物とは異なり、「一般に知られている地名」のみで表示できるとは定められておりません(業務用生鮮食品を除く)。

輸入品の場合
・原産国名(水域名を併記可能)

輸入品の場合、水域名のみを記載することはできません(水域名のみの記載は国産品のみ認められております)。
必ず原産国名を記載する必要があります。
また、カリフォルニア等、国名でない地名のみを記載することはできません。

加工食品における水産物の原料原産地表示

加工食品における水産物の原料原産地表示は、

国産原料の場合は「国産(日本、日本産なども可)」と表示することが原則ですが、以下の通り表示することも可能です。
・水域名
・水揚げした港名
・「水揚げ港もしくは主たる養殖地」が属する都道府県名その他一般に知られている地名

迷ったら「国産」と書きましょう!

輸入原料の場合
・原産国名(水域名を併記可能)

生鮮食品と同様、水域名のみの記載はできません。

まとめ

水産物の原産地表示のルールについてもう一度おさらいいたします。

【生鮮食品で国産品の場合】
表示OK:「水域名」「都道府県名」「水揚げした港名」
表示NG:「国産」や「九州産」等、都道府県よりも大きな括り
【生鮮食品で輸入品の場合】
表示OK:「原産国名」(水域名を併記可能)
表示NG:「水域名のみ」「水揚げした港名のみ」「国名でない地名のみ」
【加工食品で国産原料の場合】
表示OK:「国産」「水域名」「水揚げした港名」「都道府県名その他一般に知られている地名」
表示NG:「一般に知られていない地名」
【加工食品で輸入原料の場合】
表示OK:「原産国名」(水域名を併記可能)
表示NG:「水域名のみ」「水揚げした港名のみ」「国名でない地名のみ(※)」
※大括り表示を行う場合は別途食品表示基準Q&A(原原-34)をご確認ください。

あとがき

こうした水産物の原料原産地表示・原産地表示についてお悩みの方は 「食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))にご依頼ください!
品質管理に関するご相談を何度でも受け付けます。
(法的には〇〇って書いてあるけど、この商品は該当するの?
微生物基準はどう考えたらいいの? …など)
ただし複雑な資料確認や行政への確認が必要となる様な質問は月2回までとなります(1件3,000円(税抜)で追加可能)。
また、食品に関する法律が変更となった場合ご連絡いたします。

また、人手が足りない方、正確な内容になっているか不安な方は是非「表示のチェック」(7,200円~)、「表示案の作成」(18,000円~)、「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)にご依頼ください!※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。
また、「微生物検査」(基本3項目:4,800円)、「栄養成分分析」(基本5項目:10,000円、「栄養成分の計算」(5,000円~)もございます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

今回の更新はオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。

品質管理部へのお問い合せフォームはこちら ≫

お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-5367-2327
(平日10:00~17:30)

「こんな話題を扱ってほしい」「ここがよくわからないので解説してほしい」など、リクエストもお待ちしております!

オージーフーズ品質管理部メールマガジン2023.3.29発行号

メールマガジンのご登録・詳細はこちら ≫

The following two tabs change content below.
関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

トップページへ

株式会社オージーフーズ〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-7野村不動産南新宿ビル2階

  • Pマーク
  • 当社の個人情報保護方針は
    プライバシーポリシーをご覧ください。
品質管理チーム直通
お問合せフォームはこちら≫

電話は03-5367-2327まで