栄養成分表示の「推定値」「1食当たり」で間違えやすい3つの事例解説

食品表示の栄養成分表示の中でも間違えやすい『推定値』『1食当たり』に関連する3つの事例をプロがわかりやすく解説いたします!

「推定値」は分析を行っていても使用可能か、「推定値」を使用できない場合とは、「1食当たり」には1食分の量の併記が必要かについての考え方と正しい表示方法を解説します。

栄養成分表示の「推定値」「1食当たり」で間違えやすい3つの事例解説

栄養成分表示を含めた食品表示や裏面表示を作成している方の参考になりましたら幸いです。

他にも、栄養成分表示に関するよくある間違い(表示の基本強調表示前面栄養表示について)を解説した記事を公開中です。バックナンバーも併せてご覧ください!

栄養成分表示が義務化されてからしばらく経過していますが、表示方法に誤りがあることが多々見受けられます。 今回は間違いやすい栄養成分表示について解説していきます。また、最後に栄養成分表示で今検討されている内容について解説します。

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「推定値」は分析を行っていても使用可能

栄養成分表示値が、栄養成分に関する品質管理が十分になされていない等の理由により、合理的な推定により得られた一定の値を表示する場合、合理的な推定により得られた値であることを示す表示(①もしくは②)と、根拠資料の保管が必要です。

①『この表示値は、目安です。』 

②『推定値

この①②の表示は分析値を表示した場合は記載できないと思われている方はおりませんでしょうか?

実際には分析値でも計算値でも記載可能です(栄養強調表示等①②を使えない場合は除く)

食品表示基準第三条の栄養成分の量及び熱量には以下のように記載されています。

原材料における栄養成分の量から算出して得られた値、当該食品と同様の組成と考えられるものを分析して得られた値その他の合理的な推定により得られた値を表示することができる。

原材料における栄養成分の量から算出して得られた値は「計算値」のことで、当該食品と同様の組成と考えられるものを分析して得られた値は「分析値」のことです。

そのため、分析値でも計算値でも『この表示値は、目安です。』『推定値』は記載可能となります。

食品表示法では、原則としてすべての一般用加工食品及び一般用添加物に栄養成分表示が義務付けられました。栄養成分表示に必要な項目は「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量(ナトリウム)」の5項目です。その他の成分についてもご相談ください。

「推定値」を使用できない場合

上で記載した「栄養強調表示等①②を使えない場合は除く」につきまして具体的な事例は下記の通りとなります。

• 栄養成分の補給ができる旨の表示、栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合(生鮮食品の場合、強調する栄養成分以外の表示する栄養成分は合理的な推定により得られた一定の値の表示が可能。)
• 糖類を添加していない旨の表示又はナトリウム塩を添加していない旨の表示をする場合
• 栄養機能食品
• 特定保健用食品
• 機能性表示食品(生鮮食品を除く。)

これらに該当する場合はこの表示値は、目安です。』『推定値を使用できず、許容差を超える可能性がある場合は「○~●g」のように下限値及び上限値で表示する必要があります。

栄養強調表示は過去の記事も併せてご覧ください。

栄養強調表示を作成する際によくある間違いを8つの注意事項にまとめて、わかりやすい具体例とともに食品表示のプロが解説します。栄養強調表示の決まりごとを正しく理解し、適切な表示を作成しましょう。商品にとっても、消費者の皆様にとっても、販売時に有益な情報になります。

「1食当たり」には1食分の量の併記が必要

栄養成分表示では100g、100ml、1食分、1包装、その 他の1単位のいずれかを表示する必要があります。

「100g当たり」「1袋当たり」「1個当たり」などが一般的かと思います。

ですがただ一つ、1食分だけは「1食(●g)当たり」のように1食分の量を併記する必要があります。

これは食品表示基準別記様式二の備考1に記載されております。

栄養成分表示「1食当たり」には1食分の量の併記が必要

「1袋当たり」「1個当たり」と書くことに慣れていて、「1食」の時も同じように表示しないようご注意ください。

その他の注意点は下記の記事もご覧ください。

食品表示法の施行とともに「原則として全ての予め包装された一般消費者向け加工食品及び添加物」において表示が義務付けられた「栄養成分表示」について、見落としや間違いがよく見られるポイントをご紹介。オージーフーズの品質管理スタッフが詳しくわかりやすく解説いたします。

あとがき

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今回の更新はオージーフーズ品質管理の関根が担当いたしました。

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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