2022年も後1月程となってきました。
これからはクリスマスに年末年始と美味しいものを食べる機会が増えてくる時期です。
そんな時期によく食べられる水産物の表示についてお話いたします。
冬の人気者「かに」
農林水産省の令和3年漁業・養殖業生産統計によると国内でのかに類の水揚げ量は213tとなっており、その内訳は以下の様になっています。
・ずわいがに 25t
・べにずわいがに 131t
・がざみ類 18t
・その他のかに類 45t ※令和3年漁業・養殖業生産統計より抜粋
これを見ると日本で多く水揚げされているのは「ベニズワイガニ」と「ズワイガニ」である事が分かります。
どちらも「ズワイガニ」の名前ですが、「ズワイガニ」と名前が付いているカニは他にもあります。
・ズワイガニ
・ベニズワイガニ
・オオズワイガニ
・トゲズワイガニ
・マルズワイガニ(アフリカオオエンコウガニ)
この内、「本ズワイガニ」「ホンズワイ」と呼ばれるのは「ズワイガニ」のみとなります。
ブランドになっている「松葉ガニ」や「越前ガニ」等はこの「ズワイガニ」です。
そのため、他のものを単に「ズワイガニ」と記載すると優良誤認になる事もありますので、ご注意ください。
又、「マルズワイガニ」については「ズワイガニ」と呼ばれていますが、標準和名は「アフリカオオエンコウガニ」と言い、別の品種となります。
「アフリカオオエンコウガニ」を単に「ズワイガニ」と表示する事は魚介類の名称のガイドラインで禁止されていますので、こちらも注意が必要です。
日本で一番食べられている魚「さけ」
農林水産省のサイトを見ると平成30年の段階で、日本で最も食べられている魚は「さけ」との事で、その後にまぐろ、ぶり、えび、いかと続くようです。
「たくさん食べられている魚は、何ですか。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0312/02.html
その「サケ」ですが、以前のメルマガでも簡単にお伝えしましたが、アレルギー表示では時に悩ましい事があります。
https://www.aussie-fan.co.jp/quality/mailmagazine/post-4657
さけのアレルギーは食品表示基準 Q&Aで範囲を以下の様に記載しています。
(問)特定原材料に準ずるものの「さけ」の範囲を教えてください。
(答)「さけ」とは、サケ科のサケ属、サルモ属に属するもので、
陸封性を除きます。具体的にはさく河性のさけ・ます類で、
しろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ、さくらます、
からふとます等です。「さけ」とは、サケ科に属するしろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ等の総称です。陸封性のにじます、ひめます等は一般にマスといわれますが、学問上ではマス類という分類はなく、明確な区分も無いので全てサケ類とされます。いわゆる一般に「さけ」として販売されているものを対象とするため、にじますやいわな、やまめ等、陸封性のものは表示の対象外としています。
・さく河性(溯河性)…海に行く、「さけ」アレルギーの対象
・陸封性…海に行かない、「さけ」アレルギーの対象外
といった分け方になります。
注意点① 「ます」=海に行かないは間違い。
一般的に「ます」は海に行かないと思われがちですが、海にでてしまう「サクラマス」「カラフトマス」といった例外もいますので、注意が必要です。
注意点② 「サーモン」=「さけ」=アレルギーの対象は間違い。
「サーモン」の名前はさく河性のものにも、陸封性のものにも付けられています。
最近は全国で独自のブランドサーモンを養殖している事もあり、特色を出すために淡水のみで育てた「サーモン」も増えています。当然、海で養殖している「サーモン」もありますので、「サーモン」の名前だけで判断しない様にしましょう。
・「青い森紅サーモン」…淡水養殖
・「海峡サーモン」 …海水養殖
今回は魚介類から「かに」と「さけ」について解説いたしました。
表示だけでなく、仕様書や規格書でも間違いのない様にご注意ください。
弊社では魚介類の表示方法についてもしっかり対応できます。
表示や仕様書等でお困りの方は是非一度、お問い合わせください。
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