食品表示に欠かせない「賞味期限」「消費期限」の内容について、ガイドラインに沿って丁寧に解説します。
食品には、(一部の食品を除き)賞味期限や消費期限があることが一般的です。
賞味期限と消費期限の違いについては、ある程度理解している方も多いかと思います。しかしながら食品に賞味期限をつけるにあたり、何を根拠にどのようにしたらいいのか迷ってしまったことは無いでしょうか。
今回のコラムでは、「食品期限表示設定のためのガイドライン」に沿って解説させていただきます。

目次
賞味期限、消費期限の考え方
食品表示期限の設定のためのガイドライン
食品への期限表示の考え方については、「食品期限表示の設定のためのガイドライン」にて規定されております。
このガイドラインは平成17年より策定されておりましたが、食品ロス削減の観点と、食品の安全性の確保に関する国際的動向に配慮しつつ科学的知見に基づく観点から、内容が見直されました。令和7年(2025年)3月28日に改正され、食品表示基準Q&A内に別添として組み込まれています。
賞味期限と消費期限の違いについて
賞味期限と消費期限の違いは何であるか、わかりますでしょうか?
期限が長いものは賞味期限、期限が短いものは消費期限、という認識の方もいるかと思います。食品表示基準第2条では、以下のように定義されています。
消費期限
定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。
賞味期限
定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。
ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。
(食品表示基準より抜粋)
また食品表示基準Q&A(期限(消)-2)では、消費期限は「食べても安全な期限」、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」と記載されています。
今まで「期限が5日以内の場合は消費期限、5日を超える場合は賞味期限」といった考え方が、食品業界において使われていることが多くありました。
こちらは平成7年の「厚生省通知及び農林水産省通知」に記載されていた考え方がきっかけとなって広まっていましたが、その後は既にその通知の記載は無くなっておりました。
令和7年3月28日のガイドライン改正に伴い、「5日」で区別する考え方は推奨していない旨が追加されています。
2.期限設定のための基本的な考え方
イ.期限表示が導入された平成7年に厚生省(当時)及び農林水産省が通知した消費期限又は賞味期限を「5日」で区別する考え方は、用語の定義に基づく期限設定とはいえないことから、平成20年には厚生労働省及び農林水産省において解消されており、現在、消費者庁においても推奨していない。
(食品期限表示の設定のためのガイドラインより抜粋)
このことから、賞味期限と消費期限の区別は、日数ではなく品質劣化が「急速」かどうかで判断します。
仮に製造から期限までの日数が長い場合でも、期限を過ぎると急速に品質劣化するような場合は「消費期限」で表示することになります。
- 「消費期限」はお弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、生めん類など、品質(状態)が急速に劣化しやすい食品が該当。
- 「賞味期限」はスナック菓子、即席めん類、缶詰など、品質の劣化が比較的穏やかな食品が該当。
賞味期限、消費期限の日数設定について
考え方

では、賞味期限や消費期限の日数を設定するにあたり、どのように考えたらいいのか見ていきましょう。
ガイドラインによると、それぞれ以下の通りです。
- 消費期限は『微生物試験等の安全性に係る試験・検査の結果を優先して設定する期限』
- 賞味期限は『理化学試験や官能検査等の品質の試験・検査の結果を優先して設定する期限』
保存サンプルでの微生物試験、理化学試験、官能検査などによって得られた結果に、安全係数をかけて、最終的な賞味期限日数を設定する方法が一般的に使用されています。
表示責任者は、この試験結果など期限設定の根拠に関する資料を整備・保管しておき、消費者から求められたときには情報提供するように努める必要があります。
安全係数について
安全係数とは、一定の安全をみて、食品の特性に応じて掛けられる係数のことです。
改正前のガイドラインでは、ばらつきが少ない場合は「0.8以上」を目安に設定する旨が記載されており、これに準じて設定されていることが一般的でした。しかしながら、食品ロス削減の観点等から改正後のガイドラインでは0.8以上の旨は削除され、「食品の特性等に応じ、安全係数は1に近づけ、差し引く時間や日数は0に近づけることが望ましい」と修正されています。
加えて、加圧加熱殺菌しているレトルトパウチ食品や缶詰の食品等、個々の食品の品質のばらつき等の変動が少なく、客観的な項目(指標)及び基準から得られた期限で安全性が十分に担保されている食品については、安全係数を考慮する必要はないとされています。
保存試験は毎回実施する必要があるか?
本来は、個々の食品ごとに試験・検査を行い、科学的・合理的に期限を設定する必要があります。しかしながら、すべての食品(商品)に対して保存試験・検査をすることが難しい場合は、食品の特性等を十分に考慮した上で、その特性が類似している食品の試験・検査結果等を参考にすることで期限を設定することも可能とされています。
あとがき
食品販売には欠かせない賞味期限・消費期限ですが、その設定や表示方法について迷った際には、ガイドラインにQ&Aなども記載されておりますので、参照してみてくださいね。
賞味期限や消費期限の設定にあたり、微生物検査などを行いたい場合は、弊社サポートサービスでも検査をおこなうことが可能です。
※味などの官能評価については実施対応しておりません。事業者様にて実施いただき、ご判断いただければと思います。
※期限設定における検査項目のご相談や、実施方法の詳細のアドバイス等については、無料では行っておりません。賞味期限設定を含む、品質管理全般に関わる疑問は「食品表示・品質管理お悩み相談サービス」(年間契約)にお申し込みいただけますと、ご質問に何回でもお答えさせていただきます!

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