「チルドぎょうざ」の狭き門~餃子なのに餃子じゃない!?~

最近は餃子の無人販売が流行しているようです。
そんな餃子ですが、食品表示基準では「チルドぎょうざ」「冷凍ぎょうざ」が通常とは一部異なる表示方法をする食品として定められております。
でも「チルドぎょうざ」は単にチルド(冷蔵)にしただけでは名乗れない特別な存在なんです。
今回はそんな「チルドぎょうざ」の狭き門について解説いたします。

チルドぎょうざの狭き門

食品表示基準におけるチルドぎょうざ類

「チルドぎょうざ」は「チルドぎょうざ類」の一種で、他の仲間として「チルドしゅうまい」「チルド春巻」「チルドぱおず」があります。

食品表示基準における「チルドぎょうざ類」の定義は以下の通りとなります。

あんを皮で包んだ後、蒸煮し、ばい焼し、又は食用油脂で揚げたもの(これに食用油脂、調味料又は香辛料を添付したものを含む。)を包装したものであって、チルド温度帯において冷蔵してあるものをいう。

「チルドぎょうざ」の狭き門その1

「蒸煮し、ばい焼し、又は食用油脂で揚げたもの」つまり煮る、焼く、揚げるのどれかを行わなければ「チルドぎょうざ類」に該当いたしません。
加熱されていないいわゆる「生餃子」は「チルドぎょうざ」ではないということです。
また当然ながら、保存方法が常温や冷凍のものも該当いたしません。

続きまして、「チルドぎょうざ類」の定義に出てくる「あん」と「皮」の定義です。
(かなり長いので読み飛ばしていただいてかまいません)

あん
野菜等(野菜、果実、種実、きのこ類及び海藻類をいう。以下同じ。)をみじん切りし、若しくはみじん切りしないもの又はこれに食肉若しくは食用に供される獣鳥の臓器及び可食部分を細切し、若しくはひき肉したもの、魚肉等(魚肉、魚肉加工品及び魚卵をいう。)を細切し、若しくはすりつぶしたもの若しくは肉様の組織を有する植物性たんぱくを加えたものに、調味料、香辛料、つなぎ等を加え又は加えないで調製したものをいう。

小麦粉に食塩、食用油脂、卵、野菜等を加え、又は加えないで練り合わせ、薄く伸ばしたもの(膨張剤等を用いて膨張させたものを除く。)をいう。

「チルドぎょうざ」の狭き門その2

「あん」の定義に該当するものは「野菜等」「野菜等に肉、魚、植物たんぱくを加えたもの」のどちらかになります。
つまり、野菜100%のあんは「チルドぎょうざ」ですが、肉100%のあんは「チルドぎょうざ」ではありません。

「皮」についても同様に、「小麦粉」が使用されていることが条件となります。
そのため、小麦粉を一切使わず米粉やでん粉がメインで作られた皮の餃子は「チルドぎょうざ」ではありません。

余談ですが「チルドぱおず」なんてなかなかレアなジャンルですよね。
実は某スーパーマーケットのPB品に存在しているので、気になる方は「チルドぱおず」で検索されてみてはいかがでしょうか?

食品表示基準におけるチルドぎょうざ

ここまでは「チルドぎょうざ類」の定義でしたが、ここからは「チルドぎょうざ」の定義になります。
といっても一行しかありません。

「チルドぎょうざ」の定義
チルドぎょうざ類のうち、半円形状又は円形状に成形してあるものをいう。

「チルドぎょうざ」の狭き門その3

形状が「半円形状又は円形状」に限定されております。
つまり「棒餃子」は「チルドぎょうざ」ではないのです!

チルドぎょうざだと何が違うの?

さて、ここまでの狭き門を潜り抜けた「チルドぎょうざ」ですが、なにか特典はあるのでしょうか?
それはズバリ“名称として「チルドぎょうざ」を名乗らなければならない”になります!
原材料名、添加物、内容量にも規定があり、これらを守る必要があります。

ちなみに調理冷凍食品など、他にも名称や原材料名などに規定がある食品があります。

「調理冷凍食品」の定義、表示の方法についてご紹介。「調理冷凍食品」には、食品表示基準指定品目として、個別で定義と表示基準が定められているものがあります。表示を作成するにあたり注意する事項等、オージーフーズの品質管理スタッフが詳しくわかりやすく解説いたします。

また、逆に狭き門1、2、3のどれか一つでも当てはまらないにも関わらず名称を「チルドぎょうざ」としてしまうと法令違反となります。

チルドぎょうざに当てはまらない場合の名称

「チルドぎょうざ」に当てはまらない場合の名称ですが、

食品表示基準別表第五
※リンクをクリックすると消費者庁のページが開きます。

に記載されている名称以外であれば差し支えありません。
ここに「チルドぎょうざ」や「チルドしゅうまい」といった、当てはまらない場合に使用してはいけない名称が記載されております。

つまり「冷蔵餃子」「餃子」「焼きぎょうざ」など、別表第五に記載されている名称以外で、その内容を表す一般的な名称であれば問題ありません。

まとめ

今回は「チルドぎょうざ」について解説いたしました。
もし、スーパーなどで名称に「チルドぎょうざ」と記載されている商品を見つけたら、狭い門をくぐってきたんだね・・・と褒めてあげてください!

弊社ではチルドぎょうざの表示方法についてもしっかり確認いたします(もちろんそれ以外の食品についてもお任せください!)
表示についてお困りの方は是非「食品表示チェック」「食品表示案の作成」をご依頼ください。

オージーフーズは食品の品質管理に長年の実績があります。「誤った表示によるトラブルの発生を防止し、会社のブランドイメージを守りたい」という皆様にこれまでの実績とあわせて食品表示ラベルチェック、食品表示案の作成サービスの紹介をさせていただきます。

また、品質管理全般について、人手が足りない方、正確な内容になっているか不安な方は是非「規格書作成代行」や「規格書照合」、「eBASE入力代行」、「食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))にご依頼ください!
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今回の更新はオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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