食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定で官能検査を実施する際、より効果的な方法を品質管理のプロが解説

食品期限表示(消費期限・賞味期限)を設定する際、微生物検査や理化学検査はきっちりと数値が出るのに比べて、官能検査は検査する人のさじ加減であいまいだという印象はありませんでしょうか?
今回はそんな官能検査の精度・客観性を高めるための方法について解説いたします。

食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定方法

食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定方法につきましては、過去のコラムで詳しく解説しております。

賞味期限・消費期限とは。どうやって決めたらいいの? 新たな商品を開発したときはもちろん、すでに製造している商品でも取引先などから根拠を求められて困った経験のある方もおられるかと思います。期限表示についてプロが解説します。

また、消費者庁の「食品の期限表示に関する情報」ページ内「食品期限表示の設定のためのガイドライン」も併せてご確認ください。

食品の期限表示に関する情報
食品期限表示の設定のためのガイドライン
※リンクをクリックすると消費者庁のページが開きます。

内容を要約いたしますと、
①「微生物試験」「理化学試験」「官能検査」等客観的な検査項目を設定し検査
②「安全係数」を踏まえて期限を設定
③上記資料を保管
を行うことが必要となります。
また、類似品であれば、すでに行った検査結果を参考に設定することも可能です。

官能検査とは

そもそも官能検査とは、視覚や味覚など人の五感を使用して行う検査のことです。
食品の場合、主に味、触感、匂い、色において行われることが多いです。

微生物検査や理化学検査と比べ、
検査する人、時間帯等様々な要因で誤差が生じやすい検査方法ではありますが、
機器による検査では精度が落ちる場合や、そもそも検査する機器がない場合に実施されます。

官能検査の実施方法

官能検査の実施方法について解説いたします。

必ず三人以上で実施を

官能検査を行う際は、複数名で実施することが基本です。
一人のみで行った場合、たまたま検査した日に体調が悪かった場合通常と異なる結果が出てしまう恐れがあります。
二人の場合でも、片方の人が体調が悪かった場合、平均した結果への影響が大きいため、
三人以上で実施してください。
また、実施者として適切かどうか事前に五味検査(後述)を行うことも効果的です。

官能検査時の注意点

・体調に問題がない人で実施する
・香水などの匂いのきついものや、口紅、リップクリーム等味に影響を与える可能性があるものは付けない
・直前に喫煙しない
・水(蒸留水等)を用意し、食べるたびに口の中をリセットする
・対象品と比較する。その際、見分けがつかないようにする。

最初の四つはわかりやすいと思います。
最後の一つについて、詳しく解説いたします。

対象品と比較する

期限表示設定のために官能検査を行う場合、製造してから時間が経過した製品を食べることになりますが、
それだけを食べるのでは駄目なのでしょうか?

一つしか食べない場合、「絶対評価」での判定となります。
微生物試験や理化学試験では絶対評価でも問題ないのですが、
官能検査は人の味覚で行うため、正確に絶対評価を行えるかというと疑問符が付きます。

ではどうすればよいかというと「相対評価」を用います。
発酵食品等一部の食品を除き、一般的に味は劣化していきます。
そのため、製造直後の製品と比較し、どの程度味が落ちているか、あるいは同等であるか、を相対評価することが、正確な検査に繋がっていきます。

対象品と見分けがつかないようにする

人の五感はどうしても精神状態に影響されます。
作ったばかりの製品と、作ってから時間が経過した製品を比較する際、
先入観によって評価が変わる可能性があります。
そのため、「ABC」や「123」「イロハ」等のように番号・記号のみを振り、
官能検査を行う人に見分けがつかない状態で実施するとより正確な結果を得ることができます。

食べる順番によっても結果が変わることがあるので、可能であれば順番を変えて複数回検査することもご検討ください。

判定方法

判定は味、匂い、見た目等の項目ごとに点数を付けて、
「平均点が基準以下」や「大きく劣る項目が一つでもある」場合には不合格と判断することが一般的です。
点数は5点満点(1点~5点)や3点満点(1~3点)等任意で設定しますが、
その点数が何を表すかは検査者の間で意思統一しておく必要があります。

例:
5点(良好)、4点(おおむね良好で5点に近い)、3点(おおむね良好)、2点(劣る)、1点(大きく劣る)
で味、匂い、見た目を評価し、
それぞれの項目の平均点で3点未満がある場合や、1点が1つでもある場合は不合格。
そうでない場合を合格とする

五味検査

上記のような方法で官能検査を行いますが、
検査を行う人に対し定期的に「五味検査」を行うと、より客観的で正確な検査となります。

五味検査とは、
五種類の味(甘味、苦味、塩味、酸味、旨味)がする水を段階的に濃度を変えて試飲し、どの水がどの味かを当てるというもので、
五味の感じ方が問題ないかを評価する方法になります。
五味検査で成績が良かった人を官能検査実施者にすることで、より正確な検査となりますし、
販売先などに期限表示の根拠を説明するときにも説得力が増します。

砂糖や食塩を使って自作することもできますが、
正確に計量する必要があることや、苦味など作成しにくい味もあるので、
「五味検査 キット」等で検索していただければ通販で購入できるHPが見つかると思います。

官能検査を行う人だけでなく、商品開発をする人にもおすすめの検査になります。

まとめ

様々な検査機器が開発されている現在でもなお、人の五感は検査機器を上回る場合があります。
しかし人の五感は様々な条件で結果が変わってしまうという欠点もあります。
複数人での検査や比較、五味検査等を行い、より正確な官能検査を行うことが必要です。

弊社では官能検査は実施しておりませんが、
微生物検査」を実施可能です。
また、理化学検査も可能な場合がございますので、まずはご一報ください。

また、表示等品質管理全般について、人手が足りない方、正確な内容になっているか不安な方は是非「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)「食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))にご依頼ください!
※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

今回の更新はオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。
もうすぐ梅雨、湿気や温度の影響で微生物も繁殖しやすくなります。
くれぐれもお気を付けください。

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