栄養成分表示の計算方法とは。炭水化物・食塩相当量・熱量の計算

栄養成分表示に関係する計算について、炭水化物の計算式、食塩相当量の計算式、熱量の計算式を食品表示のプロがわかりやすく解説します!

栄養成分値は外部機関に分析を依頼した場合でも、一部は計算によって算出されているものがあります。そういった栄養成分に関する計算を知っておくと、数値を確認、表示する際等に役に立ちます。今回は栄養成分表示に必要な項目の計算方法を解説していきます。

栄養成分表示の計算方法

炭水化物の計算方法

食品表示基準では「炭水化物」は基本的には計算によって算出されます。

<計算式>

炭水化物(g)= 100g-{たんぱく質(g)+脂質(g)+水分(g)+灰分(g)}

※100g当たりの値の計算式です。

たんぱく質、脂質、炭水化物、水分、灰分を合計すると単位重量(上記は100g)となる事から、炭水化物以外を分析し、それぞれの分析値を基に算出する形となっています。

又、炭水化物は「糖質」「食物繊維」に分けられますが、糖質も食物繊維の分析値から算出されます。

<計算式>

糖質(g)=炭水化物(g)-食物繊維(g)

これらの計算方法を知っておくと、一部の値のみしかわからなかった場合に残りの成分の算出ができたり、値の推測ができたりします。

食塩相当量の計算方法

「食塩相当量」は「ナトリウム」の値から算出します。

<計算式>

食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000

食塩相当量を計算する際の注意点

計算する際には食塩相当量とナトリウムで単位が異なりますのでご注意ください。

食品表示基準施行前の古い分析結果等ではナトリウムの値のみで食塩相当量の記載がない事があります。そういった際には上記の計算式をご利用ください。

熱量(エネルギー)の計算方法

最後は「熱量」の計算です。

「熱量」は基本的にはたんぱく質、脂質、炭水化物から算出します。最も簡単な計算方法は下記の通りです。

<計算式>

熱量(kcal)=たんぱく質(g)×4kcal+脂質(g)×9kcal+炭水化物(g)×4kcal

基本的にはこちらの計算方法で問題はありません。
しかし、「糖質」「食物繊維」を表示する場合にはそれらを考慮した計算が必要になるため、計算式が複雑になります。

理由としては、消化性の違いから換算の計数が異なるためです。

<計算式>

熱量(kcal)=たんぱく質(g)×4kcal+脂質(g)×9kcal+糖質(g)×●kcal+食物繊維(g)×●kcal

上記の計算方法で「糖質」「食物繊維」の係数が●になっていますが、これは種類によって異なるためです。

係数の具体例としては下記の様な物が挙げられます。

係数の例

【糖質】

  • 一般的な糖質(糖類等)    4kcal
  • エリスリトール、スクラロース 0kcal
  • マルチトール等        2kcal
  • ソルビトール、キシリトール等 3kcal

【食物繊維】

  • 寒天、キサンタンガム等 0kcal
  • 難消化性デキストリン等 1kcal
  • グァーガム、プルラン等 2kcal

上記の様に難消化性の糖質や食物繊維を表示しますと計算が複雑化します。

他の原料由来の食物繊維等とあわせて考えると判り難い事になりますので、分析を行う事もおすすめします。

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あとがき

今回は栄養成分表示の基本5項目の熱量、炭水化物、食塩相当量の計算方法について解説いたしました。

栄養成分表示の一部の値は計算で算出されています。計算方法が分かると、分析が必要な項目、不要な項目がわかったり、各数値の相関から栄養成分表示値の間違いに気づきやすくなったりします。ぜひ知っておきたいポイントですね!

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それでは、今回の記事は品質管理の和田が担当いたしました。

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

個人的な今年の目標は運動がてらの散歩(食べ歩き)を継続することです。

オージーフーズ品質管理部メールマガジン2019年1月発行号

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和田
品質管理歴15年の品質管理チーム マネージャーです。食品表示検定上級、前職は健康食品メーカー。趣味はB級グルメ食べ歩き。

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