最近は通信販売を始めたいけれど、ラベルシールをどうやって作成したらいいの? というお客様のお問合せが増えております。
そのため、今回のコラムは基本的な食品表示(一括表示ラベル)の作成方法を解説いたします。
特定の商品では細かい作成ルールが決まっている事がありますが、かなり複雑なものとなりますので、今回は最も一般的な作成ルールについてお話いたします。
※個別のルールの有無については作成前にご確認する事をおすすめします。
以前に別の記事でも触れた事がありますが、作成するための基本項目は次の6項目となります。
①名称
②原材料名
③内容量
④消費期限または賞味期限
⑤保存方法
⑥製造者等の名称及び住所
※上記以外に原則栄養成分表示を行う必要があります。
<参考>
今回はこの6項目の記載方法・作成方法について分かりやすく解説いたします。
目次
名称
大体の食品表示で一番上に記載されている項目ですね。
「名称」の他に「品名」と記載する事もあります。
こちらは「その内容を表す一般的な名称を表示する。」と規定されています。
例えば「国産豚使用!厚切り肉の生姜焼き」という商品の場合、名称は「豚肉の生姜焼き」の様な簡潔な記載が適当となります。
時折、名称に商品名を記載されている商品が見られますが、これは間違いですのでご注意ください。
又、品名と名称の項目を両方記載し、一方に商品名を記載されている商品も見られます。
上記の様に品名=名称ですので、商品名と名称の項目名とする事が良いと思います。
※一部の商品群(缶詰・瓶詰や農産物漬物、冷凍食品等)では名称の記載方法に細かいルールがありますので、ご注意ください。
原材料名
その食品に使用している原材料が記載されている項目ですね。
ここでは食品添加物とアレルギー表示、原料原産地表示についても説明いたします。
基本的な表示方法
こちらは「原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する。」と規定されています。
例えば、豚肉の生姜焼きを下記の様なレシピで作った場合です・
豚肉 250g
薄力粉(小麦粉) 12g
生姜焼きのたれ 30g
菜種油 10g
【記載例】
豚肉、生姜焼きのたれ、小麦粉、菜種油
この時、生姜焼きのたれは内容物がわからない加工品となりますので、内訳を括弧を付けて記載する事が一般的です。
【記載例】
豚肉、生姜焼きのたれ(醤油、生姜、砂糖、味醂、清酒)、小麦粉、菜種油
食品添加物の表示
食品添加物を使用している場合、若しくは使用している原材料に含まれている場合は食品添加物も記載が必要です(一部省略規定あり)。
食品添加物は原材料を記載した後に「/」で区切って、重量の割合の高いものから順に記載する事が簡単です。
今回は生姜焼きのたれに粘度を出すための増粘多糖類が含まれているとします。
【記載例】
豚肉、生姜焼きのたれ(醤油、生姜、砂糖、味醂、清酒)、小麦粉、菜種油/増粘多糖類
アレルギー表示
アレルギー表示はアレルゲンが含まれている原材料の後に括弧を付けて記載する事が簡単です。
この時、豚肉、小麦粉の様にアレルゲンがそのまま記載されているものは省略が可能です(卵白、卵黄は例外で省略できません)。
【記載例】
豚肉、生姜焼きのたれ(醤油(大豆を含む)、生姜、砂糖、味醂、清酒)、小麦粉、菜種油/増粘多糖類
原料原産地
新しい原料原産地制度により最も使用量の多い原材料に原料原産地表示が必要になりました。
これは最も多い原材料に括弧を付けて記載する事が簡単です。
【記載例】
豚肉(国産)、生姜焼きのたれ(醤油(大豆を含む)、生姜、砂糖、味醂、清酒)、小麦粉、菜種油/増粘多糖類
この際、最も多い原材料が加工品の場合は、「砂糖(国内製造)」の様に「●●製造」と記載します。
※これら原材料名の項目は特に記載方法のルールが細かく規定されておりますので、ご注意ください。
内容量
商品の量を記載する項目ですね。
記載方法として質量(g)、体積(ml、L)、数量(個、人前)等、多くの記載方法がありますが、商品の分類だけでなく、温度帯(常温か、冷蔵か、冷凍か)でも表記が変わる場合があります。
こちらでは、最も簡単な方法は質量(g)表記です。
内容量が製造毎にぶれる場合は、下回らない様な表示量を記載する事が良いと思います。
※一部の商品では個数表記が既定等、例外もありますので、ご注意ください。
消費期限または賞味期限
商品の消費期限または賞味期限を記載する項目ですね。
直接、年月日を記載する事が最も簡単な方法ですが、記載方法としては以下の様な方法があります。
【記載例】
令和6年1月1日 6.1.1
2024年1月1日 2024.1.1 24.1.1 240101 等
なお、年月日の区切りで「/」は「1」と誤認する可能性があるため、避ける事をおすすめします。
保存方法
商品の保存方法を記載する項目ですね。
こちらの保存方法で保存すると上記の消費期限または賞味期限まで、品質が保たれますよという内容です。
温度帯としては常温、冷蔵、冷凍が一般的となり、記載方法としては以下の様になります。
【記載例】
常温 直射日光、高温多湿を避けて保存してください。
冷蔵 要冷蔵10℃以下
冷凍 要冷凍-18℃以下 要冷凍-15℃以下
商品に応じた保存条件を記載しますので、チョコレートなどでは「28℃以下で保存」といった表示がされている事もあります。
販売する商品に適した記載をしてください。
製造者等の名称及び住所
商品の製造場所を記載する項目ですね。
最も簡単な方法は製造場所の名称と住所を記載します。
【記載例】
●●株式会社
東京都新宿区●●1-2-3
事務所と製造場所が異なる際に事務所の名称と住所を記載される方も見られますが、その場合は記載方法に規定がありますので、ご注意ください。
以上、表示方法の最も一般的な記載方法・作り方について解説致しました。
より細かい規定については「食品品質管理用語辞典」にも記載しておりますので、こちらも参照ください。
また、上記以外に原則栄養成分表示を行う必要があります。
栄養成分の記載方法につきましては以下の記事をご覧ください。
あとがき(食品表示作成代行)
食品表示は購入されるお客様に正確な情報を伝えるものです。
そのため、表示の中で「強調する」という事を考えると表示が複雑化して、ルールに抵触する可能性があります。
食品表示については簡単・簡潔に記載し、商品名やパッケージの記載で表現する事をおすすめいたします。
弊社では食品表示案の作成を代行しております。
どう食品表示(一括表示ラベル)を作成したらいいかわからない・・・という方はぜひ弊社の表示作成案の作成代行にご依頼ください!
品質管理全般で問題がないかご不安な方は、
「食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))にお申し込みください! 質問を何回でもお受けいたします。
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※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。
秘密保持契約を締結することも可能です。
今回の更新はオージーフーズ品質管理部の和田が担当いたしました。
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(平日10:00~17:30)
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