食品表示法だけじゃない? 食品表示に係る各自治体条例とは。食品表示のプロが解説!

今回のメルマガは食品に係る各自治体条例を紹介いたします。
食品表示法(食品表示基準)以外にも、自治体によって定められた表示があり、その場所で販売(通信販売含む)する際には注意する必要があります。

食品表示に係る各自治体条例

おかげさまで食品表示、eBASE、仕様書サービスについて多くの依頼をいただいております。現在も受付中ですが、対応枠は限られておりますのでお早めにご連絡ください。

・食品表示に係る各自治体条例

各自治体条例は基本的に、その自治体で消費者に販売する際に必要となるため、業務用の食品への表示などは対象外ですし、当該自治体以外で販売する食品へ表示する場合も対象外です。

しかし、通信販売で全国のお客様に販売する場合など、当該自治体で消費者が購入できる場合は対象となります。

有名なのは東京都消費生活条例(調理冷凍食品、かまぼこ類、はちみつ類、カット野菜及びカットフルーツ)です。
例えば東京都(通信販売等含む)で調理冷凍食品を消費者に販売する場合、使用量や品目等の条件に該当すれば原材料配合割合と原料原産地を表示します。

東京都以外にも、都道府県や政令指定都市では神奈川県、川崎市、名古屋市、京都府、京都市、大阪市、神戸市、鳥取県といった自治体が食品に係る条例を定めております。

東京都条例については過去に以下の記事で詳しく解説しております。

東京都で食品を販売する際に注意したい東京都条例(東京都消費生活条例)で定められている調理冷凍食品の表示ルールをわかりやすく紹介します。通信販売は販売先が「全国」となりますので東京都等の地方自治体が独自に定めた食品表示ルールについても注意しましょう。

・紹介(一部)

豆腐及びその加工品(京都府)

対象:   豆腐及び豆腐を二次的に加工した食品
表示内容: 凝固目的、消泡目的として使用した添加物は「凝固剤」「消泡剤」と表示するとともに、添加物の名称を表示する。

「凝固剤」は食品表示基準では「豆腐用凝固剤」又は「凝固剤」と一括名のみで表示できますが、京都府では「凝固剤(塩化マグネシウム)」のように添加物名も表示する必要があります。
また、キャリーオーバーに該当する場合でも、京都府では「表示する」とされているため「消泡剤(シリコーン樹脂)」のように表示する必要があります。

プレミックス類(神戸市、京都市)

対象:   ホットケーキミックス、天ぷら粉等の調整粉
表示内容: 使用上の注意(開封後の取扱方法、調理方法等)

確かにホットケーキミックスは水や牛乳等で溶いて使用しますし、その分量がわからないと困ってしまいます。また、虫の好物でもあるので開封後の取り扱いにも注意が必要で、表示があると助かる事項ですね。

梨(鳥取県)

対象:   梨
表示内容: 品種名、価格、大きさ、内容重量、個数、販売年月日、販売事業者の住所及び氏名又は名称並びに電話番号(種類や包装形態等で異なります)

梨限定とは鳥取県らしい……かもしれませんね!
「中身を確認できない状態の二十世紀梨」では大きさが必要で、同じ状態でもそれ以外の梨では大きさが不要等、細かな違いがあるので表示が必要です。

・自治体の条例に違反して食品表示をした場合

自治体の条例に違反して表示をした場合、例として東京都では以下の措置がとられます。
(1) 製造者等に対して、違反表示内容等を是正することを指導
(2) その指導に従わない場合は、是正を勧告
(3) その勧告に従わない場合は、その旨を公表

神戸市では以下の措置がとられます。
(1)事業者その他関係人に対し、必要な調査を行い、又は資料の提出を求める
(2)必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告
(3)その事業者の氏名又は名称、商品名又は役務名その他必要な事項を公表

東京都や神戸市では指導・勧告・公表となっており、過料や、食品表示基準違反のように罰金、懲役までは定められておりません。
しかしながら違反してもいいというわけではありません。
自治体条例は消費者のために定められています。
消費者が適切に食品を選択し、適切な方法で食べられるよう努める必要があります。

食品表示基準違反やリコール・回収については下記の記事をご覧ください。

もしも食品表示を間違えてしまったらどうなるのでしょうか? 食品表示基準違反の件数や指導・指示・命令の罰則や、どのような場合に行われるかについて解説いたします。場合によっては回収や懲役、罰金等の事態に発展してしまう場合もあります。
食品表示法の一部を改正する法律が公布され、食品リコール・回収を行った場合の届出が義務化されることが決まりました。具体的な届出事項や手続きは今後、厚生労働省令や内閣府令等で規定されますが、今回はその概要について説明いたします。

今回の記事は関根が担当いたしました。

ここでは紹介しきれない条例はまだまだ紹介あります。
ご不安な方は、是非

▼食品表示チェック

すでにお手元にある食品表示・一括表示が合っているか食品表示診断士の資格者が食品表示・一括表示のチェックをいたします。「今の一括表示で合っているか自信がない。」「ダブルチェックとして見てもらいたい。」という方におススメ。食品表示法に基づいた新表示切り替えにも対応します。
▼食品表示案の作成
商品規格書(商品名の他に、原材料やアレルギー情報の記載されたもの)もとに、食品表示ラベル案を作成代行します。一括表示の書き方が分からない。食品表示ラベル用のラベラーを購入したけど、印字する内容が分からない場合は、食品表示案の作成でお申し込みください。
をお申し込みください。上級食品表示診断士の資格取得者が対応いたします。

品質管理部へのお問い合せフォームはこちら ≫

お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-5367-2327
(平日10:00~17:30)

「こんな話題を扱ってほしい」「ここがよくわからないので解説してほしい」など、リクエストもお待ちしております!

オージーフーズ品質管理部メールマガジン2021.5.20発行号

メールマガジンのご登録・詳細はこちら ≫

The following two tabs change content below.
関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

トップページへ

株式会社オージーフーズ〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-7野村不動産南新宿ビル2階

  • Pマーク
  • 当社の個人情報保護方針は
    プライバシーポリシーをご覧ください。
品質管理チーム直通
お問合せフォームはこちら≫

電話は03-5367-2327まで