食品ごとに法的に定められている微生物の基準とは?各食品の微生物基準の考え方について解説!

続くコロナウィルスの影響から通販や宅配等のサービスをお考えになっている飲食店の方も多いかと思います。
賞味期限の設定などで初めて食品の微生物検査を実施するにあたり、どの検査項目を実施すればいいのか、菌数の基準はどのくらいであれば問題無いのかなど、迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらを考える目安として、各食品の分類ごとに定められている微生物規格があります。
簡単にポイントについてご説明させて頂きます。

微生物基準

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微生物(食中毒菌)について

「微生物」と一言に言っても、菌の種類は一つではなく様々なものがあります。
食中毒を引き起こす菌だけでなく、無害な菌や、ビフィズス菌のような体に良い菌も「微生物」です。
その中で、食品事業者として防ぐ必要のある、食中毒を引き起こす菌にも多くの種類があります。
それらは食品の分類によって含まれる可能性が高いもの、低いものが変わってきます。
例えば、食肉や卵には「サルモネラ属菌」、生鮮魚介類には「腸炎ビブリオ」、またサンドイッチ・おにぎり・弁当・ケーキなどの人が関わる工程が多い食品には「黄色ブドウ球菌」の汚染リスクが高いとされています。

ただし、菌は加熱により死滅させることができるものが多いです。
製造中または調理時の加熱条件包装形態保存温度なども考慮し、各食品の微生物規格の基準が定められています。

微生物規格基準について~食品衛生法、衛生規範~

微生物規格は「食品衛生法」「衛生規範」により、食品分類ごとに定められています。

<食品衛生法>
食品衛生法は、飲食によって生ずる危害の発生を防止するための日本の法律です。

食品別の規格基こちらをご覧ください(※リンクをクリックすると消費者庁のページが開きます)。

例えば、冷凍食品の微生物規格については以下の様に分類ごとに微生物項目、基準値が定められています。

    • 無加熱摂取冷凍食品または加熱後摂取冷凍食品(凍結前加熱済み)
      ⇒ 細菌数:10万以下(1g当たり)、大腸菌群:陰性
  • 加熱後摂取冷凍食品(凍結前未加熱)
    ⇒ 細菌数:300万以下(1g当たり)、E.coli:陰性

この他、清涼飲料水食肉製品等でも項目、基準値が定められています。


<衛生規範>

衛生規範とは、製造時において食中毒の原因となりやすく衛生上の配慮が必要となる食品を対象に、厚生労働省が作成した衛生的な食品の取扱いに関する目安です。

「弁当及びそうざい」の衛生規範(※リンクをクリックすると厚生労働省のページが開きます)。

他にも「漬物」「洋生菓子」「生めん類」などについて同様に定められています。

※なお、衛生規範は廃止されております。
内容につきましては、下記のメルマガをご参照ください。

衛生規範が廃止されました。衛生規範が設定されている食品の今後の対応について行政機関に確認した結果を紹介いたします。 衛生規範は食中毒の原因となりやすく衛生上の配慮が必要となる食品を対象に、厚生労働省が作成した衛生的な食品の取扱いに関する目安です。

該当する分類がわからない場合

食品衛生法と衛生規範で、あらゆるすべての具体的な食品分類について基準が定められている訳ではありません。
そのため、該当する分類が無い(法的基準が無い)場合は、分類が近いものの基準を参考にして社内基準を設けるなどご検討ください

あとがき

以上、簡単ではございますが「食品衛生法」と「衛生規範」で定められている微生物規格基準についてご説明させて頂きました。
初めて微生物検査をされる場合は、ご参考にして頂ければと思います。
また「食中毒」に関する過去のコラム記事もございますので、合わせてご参照くださいませ。

私たちオージーフーズの品質管理部では、「微生物検査」のサービスを承っております。
提携する厚生労働省登録検査機関にて、検査を実施しております。
検査項目や料金などは、こちらよりご確認ください。

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まだ暑さが厳しい日が続くと思いますので、どうぞお体ご自愛くださいませ。

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仲田
品質管理歴7年。前職は食肉加工品メーカー。食品表示検定上級、管理栄養士、お肉博士の資格を持っています。好きな食べ物は牛肉です。

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