一般用加工食品の添加物の表示でよくある間違いを、間違い探しクイズ形式で食品品質管理業のプロがわかりやすく解説します。
実際の食品表示を例題に、間違えやすいポイントを解説します。今回は「添加物」編として問題を作成しました。どこが間違っているか探してみてください!
問題
今回は添加物の表示のみを題材としています。
【ヒント①】4か所の間違いがあります
【ヒント②】簡略名又は類別名も考慮してください
【ヒント③】物質名を表示しないといけない添加物は?
【ヒント④】まとめて表示できる添加物はないでしょうか?
回答と解説
正しい表示例
4つの間違い箇所を修正した表示は以下の通りです(クチナシがクチナシ黄色素である場合の表示になります)。
4つの項目をひとつひとつ、丁寧に解説いたします!
【間違い① 「アルコール」と「酒精」】
「アルコール」と「酒精」は、どちらも「エタノール」の類別名のため、まとめて重量の多い順に表示する必要があります。
【間違い② 「酸化防止剤」の物質名】
食品表示基準の別表第6で示された8種類の用途に使用される添加物は、その用途名(甘味料、着色料など)と物質名を併せて表示します。
「酸化防止剤」も対象になります。
そのため、「酸化防止剤」のみ表示をする事はできません。
「酸化防止剤(●●)」と記載し、●●に物質名を表示する必要があります。
【記載例】酸化防止剤(V.C)
<8種類の用途>
- 甘味料
- 着色料
- 保存料
- 酸化防止剤
- 発色剤
- 漂白剤
- 増粘剤、安定剤、ゲル化剤、又は糊料
- 防かび剤又は防ばい剤
添加物の基本の表示方法は過去の記事をご参照ください。
食品品質管理・品質保証の専門用語「添加物」について解説します。わかりやすい用語辞典です。添加物とは、添加物に占める重量の割合の高いものから順に、物質名等で表示します。添加物の表示方法や省略規定についてわかりやすい具体例を交えてポイントを詳しく解説します。
食品添加物の「用途」の表示についてプロが解説。わかりやすい食品表示講座です。添加物による効果だけで判断すると、指定されている用途と間違える事があります。複数用途のある食品添加物は主な目的とする用途の記載が必要です。表示方法を解説します。
【間違い③ 「簡略名又は類別名」】
「カロチノイド」は「アナトー色素」の簡略名又は類別名となります。
「カロチノイド」を記載する場合は、「アナトー」を「カロチノイド」にまとめて(アナトーの表示を削除)し、重量の多い順に表示する必要があります。
また、クチナシが「クチナシ黄色素」である場合、カロチノイドと表示できるため「カロチノイド」にまとめる必要があります。
※クチナシが「クチナシ青色素」や「クチナシ赤色素」である場合はカロチノイドと表示できないです。
【間違い④ 「糊料」と「安定剤」】
「糊料」は増粘剤、安定剤、ゲル化剤の総称となるため、「糊料」と「安定剤」の両方を表示することはできません。
また、「糊料(グァー)」について、多糖類を2種以上併用しているため、簡略名として「増粘多糖類」にまとめて「糊料(増粘多糖類、加工デンプン)」と表示する必要があります。
添加物をテーマとした過去の記事もご一読ください。
添加物の一括名表示のルールや、香料の表示、一般飲食物添加物の表示方法について、細かい規定まで把握していない方も多いのではないでしょうか。消費者庁通知「食品表示基準について(別添 添加物関係)」に記載されている内容について、その一部をご説明させていただきます。
インストア加工の食品添加物表示も多い順に行うことは今や当然ですね。しかし、「食品表示基準」が作られる前(平成二十五年より前)は、食品添加物は多い順に表示する必要はありませんでした。当時はどのような法整備があったのか、食品表示の歴史をわかりやすく紹介いたします。
消費者庁は、令和4年3月30日に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。 これにより商品パッケージなどに記載されている「無添加」、「○○不使用」という添加物表示に規制が入るようになります。 令和6年4月1日から完全施行となりますので、今一度、一緒に学んでいきましょう。
【関連情報】添加物に関して特に注意すべき2つの事項
また、今回出題した事例とは別の【番外編】的な関連情報になりますが、添加物に関して特に注意すべき事項を2つご紹介します。
【番外編①】
「保存料(ソルビン酸)」は、食品により使用制限があります。
例えば、みそ漬の漬物にあっては、原料のみそに含まれるソルビン酸及びその塩類の量を含めてソルビン酸量として1.0g/kg以下である必要があります。
添加物は表示以前に使用して問題がないかも調べる必要があります。
また、これ以外の添加物にも使用制限があるほか、輸入品に関しては日本と諸外国で基準が異なる場合があるため、十分な注意が必要です。
【番外編②】
微量であっても五感に訴えるような添加物(甘味料、調味料、香料、着色料等)は、キャリーオーバーに該当せず、最終製品にも表示する必要があります。
過去問題集
食品表示の間違い探しクイズは今回で第5回目になりました。
過去記事もございます、ぜひ併せてチャレンジしてみてください!
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詰め合わせ商品の食品表示を作成する際によくあるミスを間違い探しクイズで学べる記事です。正しい食品表示がわかりやすい具体例とお手本になる見本も添えて食品品質管理業務のプロが解説します。一般用加工食品を詰め合わせで販売する際の食品表示作成の参考になる情報満載です。
一般用加工食品の原料原産地表示、添加物表示、アレルギー表示、栄養成分表示を作成する際によくある表示ミスを間違い探しクイズ形式で学べる記事です。わかりやすい具体例とお手本になる見本も添えて、正しい食品表示の表示方法を食品品質管理業務のプロが丁寧に解説します。
一般用加工食品の原材料名表示、添加物表示、アレルギー表示、栄養成分表示を作成する際によくある間違いを間違い探しクイズ形式で学べる記事です。わかりやすい具体例とお手本になる見本も添えた回答と解説で、正しい食品表示の方法を食品品質管理業務のプロが丁寧に解説します。
あとがき
今回の間違い探しはいかかでしたでしょうか。
添加物には多くのルールがあるため、表示を作成する際は、一つひとつの添加物について細心の注意を払う必要があります。
クイズ形式で楽しみながら食品表示の知識を深めていただければ幸いです。
次回も、皆様の実務に役立つ内容をお届けいたします!
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The following two tabs change content below. 前職は製菓・製パンの卸の品質管理を担当していました。 食品表示検定上級、品質管理検定(QC検定)3級、マーケティングビジネス実務検定B級、惣菜管理検定3級の資格を持っています。好きな食べ物は米、酢です。