食品表示の省略規定とは。各項目の省略方法をプロが解説

食品表示の省略規定について、各項目(名称・原材料名・内容量・賞味期限・保存方法・栄養成分表示)の省略方法を食品表示のプロが解説します。

食品表示・一括表示を作成していると、表示スペースがどうしても足りない時が時折ありますよね。そんな時に使える食品表示の省略規定についてまとめました。表示を作成する際にぜひ参考にしてみてくださいね。

※ただし、容器包装の表示可能面積における規定は複数項目に関係しますので省略しております。

名称

名称は、商品名に近接した場所に一般的な名称を表示する場合、一括表示における名称の表示を省略することが可能です。

※この際、一般的な名称を商品名に比べて小さく表示する事はできません。

原材料名

原材料名は、原材料が1種類のみである場合は省略可能です。

※缶詰、食肉製品、及びアレルギーや遺伝子組換え等の義務表示事項を表示する場合を除く。

又、原材料名では他に複合原材料や食品添加物の表示に関する部分で省略規定がありますが、こちらについてはまた別の機会に説明させていただきます。

内容量

内容量は、下記の場合に一括表示における内容量の表示を省略する事が可能です。

  • 「100g」「1000ml」等と単位と合わせて、商品主要面に一般的な名称と同一視野に表示する場合(上記、名称の規定を満たしている事が前提です)
  • 計量法に基づく特定商品に該当せず(gやmlでの表示が不要)、内容量を外見上容易に識別できる場合。

賞味期限

賞味期限は、以下の商品に限り、省略する事が可能です。

  • でん粉
  • チューインガム
  • 冷菓
  • 砂糖
  • アイスクリーム類
  • 食塩、うま味調味料
  • 酒類
  • 飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入り(紙栓を除く)、又はポリエチレン容器入りの物に限る)

※これらは品質の変化が少ない事から、省略が認められています。

保存方法

保存方法は、常温保存以外に留意点がない場合は省略することが可能です(牛乳、乳飲料を除く)。

※この際、「直射日光を避ける」「多湿を避ける」も留意点となりますのでご注意ください。

栄養成分表示

栄養成分表示は、下記の3パターンに該当する場合は省略可能です。

  1. 栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの(下記のいずれかに該当するもの)

<判断基準(いずれかに該当すれば良い)>

    • 熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量(ナトリウム)の全てについて、「0」と表示できる基準を満たしている場合
    • 1日に摂取する基本五項目の量が社会通念上微量である場合(コーヒー、茶類、ハーブティー、香辛料等)
  • 極めて短い期間で原材料(その配合割合も含む)が変更されるもの

<判断基準(いずれかに該当すれば良い)>

  • 日替わり弁当等、レシピが3日以内に変更される場合(サイクルメニューを除く。)
  • 複数の部位を混合しており、都度原材料が変わるもの(合挽肉、切り落とし肉等の切身を使用した食肉加工品等)
  • その他
    • 酒類
  • 消費税法、第9条第1項にて消費税を納める義務が免除される事業者が販売するもの
  • 中小企業基本法、第2条第5項にて規定する小規模企業者が販売するもの

食品表示・一括表示を作成する際に参考になる記事

食品表示法の施行とともに、「原則として全ての予め包装された一般消費者向け加工食品及び添加物」において表示が義務付けられた「栄養成分表示」について、基本的な表示方法をご紹介。文字サイズや表示の順番、表示値の許容差の範囲など、オージーフーズの品質管理スタッフが詳しくわかりやすく解説いたします。
飲食店様が通信販売を始める際に必要な食品表示について、食品品質表示のプロが解説いたします。わかりやすい解説動画もあります。通信販売では保健所の許可の他に、商品に食品表示をする事が必要です。表示が必要な項目、表示のポイントを、この機会にしっかり確認しましょう!
食品表示・一括表示の「表示場所・言語・文字サイズ・色のルール」の4つのポイントを食品表示のプロが解説します。消費者に販売する一般的加工食品に必要な食品表示(一括表示)の様式の決まり事を、オージーフーズ品質管理部が丁寧にわかりやすく解説するポイント講座です。

また、食品表示の作成業務に関して、不安やお困りのことがある時は、私たちオージーフーズの品質管理部へご相談くださいませ。食品メーカー様、飲食店様の品質管理ご担当者様が助かる各種サポートサービスをご用意しております。

表示関係で何かお困り事をお持ちでしたら、是非食品表示チェック」「食品表示案の作成のサービスをぜひ一度お試しくださいませ。

また、品質管理全般で問題がないかご不安な方は、
食品表示・品質管理お悩み相談(年間90,000円(税抜))にお申し込みください!質問を何回でもお受けいたします。

他にも「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「微生物検査」(基本3項目:4,800円)、「栄養成分分析」(基本5項目:10,000円)、「栄養成分の計算」(5,000円~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)がございます。

※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

弊社は、店頭販売や通信販売などで取り扱われる様々なジャンルの食品の品質管理に携わっております。経験豊富な上級食品表示診断士の資格者がしっかりサポート・チェックをいたします。

どうぞお気軽にお問合せください。

お問い合せはこちらのWEBフォームからどうぞ ≫

オージーフーズ代表電話番号
TEL:03-5367-2327
(平日10時~17時半)

あとがき

今回の記事では食品表示の省略規定について解説いたしました。

表示を作成していると、「もう書く場所がない!」と、困ったことがよくありますよね。食品表示作成のご担当者様なら分かる、あるあるだと思います。

今回ご紹介した通り、様々な省略方法がありますので、これらの方法を上手く作ってスペースを有効利用し、正しい一括表示を作成してください。

それでは、記事を最後まで読んでくださってありがとうございます。品質管理部の和田がお届けいたしました。

ここ最近の近況といえば、コロナウイルス対策で弊社でもリモートワークを開始しました。皆様もお体にくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。

今後とも、オージーフーズ品質管理部をどうぞよろしくお願いいたします。

オージーフーズ品質管理部メールマガジン2020.4.16発行号

品質管理部メールマガジンの詳細はこちら ≫

The following two tabs change content below.
和田
品質管理歴15年の品質管理チーム マネージャーです。食品表示検定上級、前職は健康食品メーカー。趣味はB級グルメ食べ歩き。
和田

品質管理歴15年の品質管理チーム マネージャーです。食品表示検定上級、前職は健康食品メーカー。趣味はB級グルメ食べ歩き。